主題5(公募・一部指定)
H. pylori 除菌治療の工夫と問題点
Improvements and problems of H. pylori eradication therapy - from initial therapy to rescue therapy -

司会:古田 隆久(浜松医科大学医学部附属病院 臨床研究センター)
   下山  克(青森県総合健診センター)

わが国では、H. pylori 感染胃炎患者の全例が保険診療で除菌治療を受けることが可能であり、胃癌をはじめとする種々の疾患の予防と治療に加えて感染の抑制を目的とした除菌も保険で可能となっている。その除菌治療であるが、薬剤耐性菌の増加によって成功率が70%近くまで低下していく中で、抗菌薬感受性試験や代謝酵素遺伝子多型をターゲットとした個別化治療などの工夫もなされてきた。2015年にカリウムイオン競合型アシッドブロッカーであるボノプラザンを用いたレジメンによって、一次除菌の成功率は80-90%にまで改善されてきた。しかし、抗菌薬への耐性、特に多剤耐性の問題や、薬物過敏症、併用薬との相互作用など、依然として除菌困難となる感染者は存在しており、引き続き対策が必要である。

本ワークショップでは、安全性を担保しつつ除菌率の向上を目指した新しい試みを、基礎、臨床を問わずご発表いただき、その実用化に向けてディスカッションをおこないたい。